ガスインジェクションでグリップ(8)
ガスインジェクションを考案した、最初の目的は肉厚製品の形成であったと聞いている。1990年代のブームの際は浴槽のグリップ(ABSなどの非晶性樹脂)をたくさん手掛けた。当時、ポリプロピレンやナイロンなどの結晶性樹脂は苦手とされたが、現在では自動車の内装グリップのほとんどが、ポリプロピレン樹脂を用いたガスインジェクション製法によるものになった。一般の射出成形で形成していた時には360秒以上のサイクル時間を要し、水の中に入れ冷却したり、クーラーで冷やしたりしていたが、ガスインジェクション成形では60秒程度で形成できるようになり大幅なコストダウンと軽量化が実現された。先にも述べたように偏肉も可能なのでボディへの取り付け構造も同時に形成できる。